墓の中から

クソリプガイジの墓場

ユンギさんについて

  • 訴えます!罪な男~!私の心を痛くさせるから!

 

「推し」がずっっっっと欲しかった。

というより、何かに強烈にハマりたかった。

ゲームでも漫画でもアニメでもなんでもいいんだけど、長く好きでいられるようなコンテンツに浸っていたかった。

 

2021年の3月だった。

出会ってしまった。

本国のファンが「あなたを訴えるわよ! 私の心を痛くさせるから!」と叫ぶほど魅力的すぎる存在に。

なぜ2020年のダイナマイトがヒットした時じゃなかったんだろう。

DNAだって2016年に流行っていたのは知っている。

もっと言えば、本格的に沼に落ちた曲は2013年のものだった。

ARMY(ファンの名称)は、口をそろえて「もっと早く出会いたかった」と言う。

でも、過去を振り返ってみても、今しかハマれなかった。

今、縁があったことに感謝が止まらない。

 

ダイナマイトが世に出た頃、私は「自己を忘れるため」に、仕事にあまりにも熱中していた。テレビを見る精神的余裕もなかった。ダイナマイトを認識したのも2か月くらい前のことだった。

3月に仕事がヒマじゃなければ、この素晴らしい宝物のようなアーティストや曲やファンにも、この感情にも、出会えなかっただろう。

 

好きの勢いが激しすぎて、ハマって4日目で推しと同じ場所にピアスを開けたり、ファンクラブに入ったり、勢いで韓国語を勉強し始めている。

自分にこんなに熱いエネルギーがあるなんて知らなかった。

 

「好き」という気持ちはいつか薄れてしまう。勢いが強いうちに行動したり文章にしたりして、この気持ちを閉じ込めてしまいたい。気持ちは水だからすぐに流れてしまう。今、今、今しかないのだ。

 

最近芥川賞有名な「推し、萌ゆ」という本を読んでその思いが加速した。作者の方が「推しに没頭することは、自分という存在を忘れるということだ」というような内容のことをインタビューで言っていた。

 

「誰かを熱烈に嫌うことも、好きになることも、自己を忘れるためのひとつの手段である」

 

ゲームでも映画でも漫画でもいいんだけど、何かに熱中してたり、芸術に心奪われている時ってそれと一体化してしまう。それで「自分」という存在が薄まって楽になるんだよなあ。

 

 

 

  • ギャップの鬼

 

1億年ぶりに生きている人間を好きになった。

でもこの気持ちもいつか死んでしまうことはわかっている。気持ちが生きているうちに記録しておきたい。

 

見た目は中性的かもしれない。身長180cmオーバーのメンバーが多い中では174cmと小柄な方だ。でも女性と並ぶとしっかり男性なのがわかる。

 

色白で、小柄で、脚は細く女性のように美しい。それは周りからも言われてきたのか、練習生の頃に「足だけは少女時代」と写真つきでツイートしている。

切れ長な瞳が美しい。見た目も性格も猫そのものなので、全国のファンからそれぞれの国の猫の鳴き声で呼ばれているらしい。オタクは全国共通で推しの可愛さで気絶している。

 

「our lil meow meow...soooooo cute」

「ウチらのちっちゃいチビ助にゃーにゃーちゃん、クッソ可愛いんだが?!」

 

女性あるあるなんだけど、好きピや推しのことを動物に例えだす現象があるけどなんでだろう。女性が男性のことを「かっこいい」より「可愛い」と思ったら本気で惚れてるとかいう、あれ。「可愛い」から動物に例えたくなっちゃうんだろうな。

 

真顔はクールで美人なのに、笑顔になると整った歯と歯茎が見えて幼くキュートになる。化粧を落とすとかなり素朴な印象になる。その辺にいそうな地味なお兄ちゃんだ。

 

右と左の目の大きさが違うので、見る角度によって違う印象を与える。

 

右目は一重。「クール」「近寄りがたい」「神秘的」

左目は二重。「愛らしい」「幼い」「親近感」

 

これ、百田尚樹の「モンスター」でも美人の条件で言われてたやつだ...。

完璧に左右対称の顔だと美しいけれど、人間みがない。人間は不均衡さに魅力を覚える。だから左右の顔のバランスを微妙に崩すのだと。そして主人公は、右から見ると幼く見えるようにし、左から見るとクールに見えるように整形手術を重ねた。そんな内容だった気がする。

 

真逆の性質が、ユンギさんの中に同時に無限に存在している。

なんで人はギャップが好きなんだろう。

生存可能性が上がるからだろうか?

 

 

ギャップ①メンバーの中では小柄⇔女性と肩を並べるとしっかり男性

ギャップ②真顔はクール⇔笑顔はキュート

ギャップ③化粧をのせた時の中性的な美しさ⇔すっぴんの素朴さ

 

 

中身はかなり男性的なのかもしれない。メンバーからも男らしくサバサバした性格だと言われている。

ラップは私にはわからないが、ラップが好き=黒人男性=テストステロンが高そうなイメージがある。

 

それでいて、内向的で繊細な部分がある。そこに最も強くひかれる。

 

人前に出る仕事なのに、初期はメンバーと目を合わせるのも気恥ずかしくてできなかった。今でもメンバーと目が合うと、とっさにそらしてしまう。10代の頃はその繊細さゆえに精神科を受診している。

 

爪を噛む癖がある。始めて映像で指を噛んでいるのを見た時、あまりに驚いて巻き戻して5回くらい見返してしまった。親指に痛々しく赤い傷がついている画像もある。親爪はかなりボロボロになっている。

 

カメラの端で指を噛んでいることが多い。映されていないと油断しているのかもしれない。油断している時に出る隠しきれない癖は、確実に嘘のない姿なので、死ぬほど愛おしい。アーティスト、アイドルとしての推しではなく、1人の人間としての推しの姿を見ているような気持ちになり、胸が痛くなる。

 

「人が多い所は疲れる」と言っている。これも内向型の特徴だ。でも内向型は好きなことに対しては外向的になれるので、「人前でパフォーマンスする」ことも苦ではないのだろう。

 

ギャップ④テストステロン強めのラップ文化⇔内向的で繊細な一面がある

ギャップ⑤人が多い所は苦手⇔好きなことなら人前に立ちたい

 

近しい人のことをかなり大切にしている。かなり温かい気持ちの持ち主だと思う。外向的ではないので、おそらく誰にでも愛想を振りまくタイプじゃない。気を許した相手に限る。

 

兄と仲が良い。お兄ちゃんから料理を教えてもらったから俺は料理が上手いんだよ~。メンバーに自慢してて可愛い。

 

家庭は裕福な方ではなかった。親は音楽で食べていくことを反対したので、アルバイトを掛け持ちして夢を追った。精神科を受診した際には「あんたのことがよくわからない」という反応で、テレビに出た息子の姿を見て「水餃子みたいな顔ね~」といじっている。「あんたは橋の下で拾ってきたのよ~」と冗談で言ったり。

 

でも親がライブに来た時、推しは床につっぷして号泣している。自分の夢を認めてもらえなくても決して親のことを嫌いになったりしない。憎んでいない。むしろ夢を追って家を出た後、親のことをずっと気にかけていたんだろうな...。

 

覚せい剤で捕まったかつてのラップ仲間の元まで、練習生時代に何時間もかけて会いに行って「俺はまだ友達だと思ってる」と曲を作っている。アンチのことは曲でボコボコに殴ってるけど、一度気を許した相手を見捨てたりする描写がほとんどない。

 

これも映像で見ただけで文脈を知らないんだけど、部屋に入ってきた黒人ラッパーがドアを開けて、そのドアが他のメンバーの足に少しぶつかっていて。ユンギさんは自分がされたみたいに嫌な顔をしていた。

「大切な人、気を許した人」=「自分の一部」みたいな感覚なのかもしれない。とくにメンバーなんて体の一部みたいに思ってそう。

 

中学生の頃、付き合っていた女の子にしっかり愛情表現ができずフラれてしまった。今でもメンバーに「好きだ」「愛してる」って言うのは苦手っぽい描写がある。「愛してるって言ってくださいよ~」とメンバーから言われて、照れながら渋々言う動画を2回くらい見た。

 

言葉よりも行動で示すタイプでめちゃくちゃ職人っぽい。

ファンに向けてはきっちりサービスしてくれてる。

ファンが「結婚してください!」とコメントしたら「結婚届持ってきてね」

「ドキドキする言葉言ってください!」「この後、俺の家来る?」

 

ゴリゴリのヒップホップをやりたかったのに、アイドルである自分に違和感や劣等感を抱えている。

ヒップホップ⇔アイドルの葛藤、他のメンバーも抱えてたけど、徐々にアイドルである自分に誇りを持っていくような描写が胸を熱くさせる。

自分がそうだから、「内向的」「繊細」っていうキーワードでどうしても推しを見てしまうな...。

推している人の数だけ、「私の推しはこんな人ですよ」っていう推し像が、あるんだろうな......。

 

自分がユンギさんを好きになった頃は、既にユンギさんはそのもろもろを克服していたみたいだった。

2021年3月頃のユンギさんはめちゃくちゃ幸せそうな顔をしていた。2016年頃のナイフみたいなキレッキレのAgustDの面影がほとんどない。

しかもふっくらしている...!

あんなにしんどそうだったのに、心のありようが変わると、外見も変化するんだなぁ...。

勝手に置いていかれたような気になり、少し寂しいような気分にもなる。

 

でも曲を聴けるだけで、映像で彼の姿を見れるだけで、幸せだ。

「好き」という気持ちはいつか薄れてしまうから、勢いが強いうちに行動しなくてはいけない。

 

いつか飽きてしまうのが、今から怖い。中学生の時もBUMP OF CHICKENを熱狂的に好きになったけど、2年もせずに飽きてしまったのを覚えている。

気持ちは、長続きしない。悲しいことに。でも、「今」は、確実にある。今、今、今しかない。